「お・も・て・な・し(表無し)」の「う・ら・が・え・し(裏返し)」

食品産地偽装が止まらない。「おもてなし日本」の看板がゆらいでいる。

 

昔は、確かに「おもてなし」の心が日本中どこでも満ち溢れていた。

企業では、家族的なチームの輪が尊ばれ、先輩が若手を育てるのが当たり前だった。

近所を歩けば、誰もが「おはよう、元気?」と声を掛け合い、贈答品等が届くと、「沢山貰ったので...」と隣近所に配るのが日常の風景だった。

TVでも、喜劇やお笑いの中に、他人を慮る浪花節的シーンもあり、人生の喜怒哀楽を多くの番組を通じて味わった。

 

それが、企業では、目先の数値に追われ、リストラやコスト削減の嵐が吹き荒れ、疲弊感や閉塞感、ストレスは増えても、給料は一向に増えない。若手を育む余裕どころか自分の保身を考えるのが精一杯だ。表は「人を大事にし、お客様視点で~」と標榜しながら、裏では「少しでも経費を抑えるために、研修費を抑え、産地に拘らず、安い食材を求めて奔走している」のが現状ではないだろうか。

 

都会では、隣人の顔も知らなければ、エレベータで乗り合わせた人との会話も会釈もない。裏で見られる袖の下(賄賂)や、官官接待は勿論、常識を越えた接待は論外だが、コスト削減のあおりで交際費は大幅縮小され、表の「おもてなし」サービスや優美な盛付けまでを売りにしていた料亭などは、経営の窮地に立たされた。一方、マニュアルに従った似非スマイルとお決まりのセリフで客を呼び込むファーストフード店は大はやりだ。

 

TVでは、突っ込みがボケのビンタを打つといった、いじめまがいの人を食った笑いが横行し、人のペーソス(哀愁)やウィット(機智)に富んだユーモアは消えてしまった。これも表の顔だった大手スポンサーが消え、安い番組作りに邁進するしかないTV局の裏の事情が垣間見れる。

 

企業経営者、TVプロデューサー、お笑い芸人、政治家、そして全ての日本人が、2020年オリンピック・パラリンピックに向け、本当の「おもてなし」とは何か、自分の仕事や生活における「価値」を今一度見つめ直す時ではないだろうか?

食品産地偽装を「他山の石」とせず、自分の問題として...「表無し」にせず、「裏返し」ても「おもてなし」の心を失わないように!

カテゴリ:コラム 更新:2013年11月11日