金融不況を乗り切るヒントは、「現場」にあり!

100年に一度の経済危機
リーマンショック以降、すっかり経済環境が激変してしまった。100年に一度の経済危機という実感が、ひしひしと伝わってくる年の瀬となっている。
政府の方針にしろ、日本を代表するリーディングカンパニーの人員削減の打ち出しにしろ、メディアには暗いニュースばかりが目に付き、先行き不透明のまま、2008年が終わろうとしている。

しかし、いつまでもマイナス思考に陥っていては、ますます疲弊し、閉塞感が増すばかりだ。そもそも経済は、人間の知恵が生み出した日々の活動のプロセスであり、結果であるにしかすぎない。
だから、もう一度、経済全体をプラスにするために、全員の知識とスキルと知恵を再結集し、この難局をどう乗り切るのか、全員で考えればよい。
かのシューズ大統領や日本のリーダーにもその期待は余りもてそうにないのが悲しい。
かといって、手をこまねいているわけにはいかないのが、企業の経営者である。 

『現場』への回帰と組織の再活性化
その解決へのヒントは『現場』にこそあると申し上げたい。
現場は、日々、お客様と接し、お客様のニーズや要望、クレームの中で鍛えられ、さらなるお客様の感動や驚きを獲得するために必死に努力をしている。
ところが、現実には、中間管理職の思惑や組織内力学=政治の力で、その声はトップに届かない。
無難で玉虫色の選択や報告だけが上に伝わり、次第に、現場には諦め、無気力、やらされ感が漂い始める。
上層部は形式にとらわれた対策や施策を議論するのみで、根本的な打開策を見出せないまま、合理化やリストラ強化の渦の中で、現場の弱者に冷たい風を吹きつのらせているのが昨今の実態ではないだろうか。

日本の強みであった現場力は影を潜め、井の中の蛙として愚痴をこぼしながら、ERP導入→6シグマ→J-SOXと、次々と「やらされる」改善の作業に現場は翻弄させられている。
その本当の目的や本質的な効果も分からないままに...である。
こういった形骸化した経営の状況は、日本企業の随所に散見される。
現実の業務に即していない諸制度やマニュアルしかり、研修も予算を消化すること自体が目的化し、真の人財育成になっていない。
中間管理職の役割については前述した通りだが、部署を超えたクロスファンクショナルな取り組みも、掛け声とは裏腹に、「見て見ぬフリ」の姿勢が根強く、全体最適ができていない。
役員会においては、事前の根回しにこそ時間を掛けるものの、ガチンコで社長に反論する役員は少なく、いわばセレモニー化した形骸化の代表格とも言えるだろう。
経営企画部や内部監査室等も実態は形骸化しており、本来の役割や機能を果たせていない企業も多い。霞が関や永田町にも問題はあるが、企業においても”勤続”疲労が進んで、機能不全に陥ってしまっていないだろうか。

このような形骸化した組織にダイナミズムを取り戻し再活性化していくにはどうすればよいだろうか。
実は、現場には、会社の価値を生み出す源泉となる人財、商材、収益に繋がるネタやタネが転がっているのである。
現場とトップを繋ぐ、新たなコミュニケーションループの構築こそが鍵を握っている。
内部統制制度の構築やコンプライアンスの徹底などを否定するものではないが、いずれもリスクの防止にはなってもプラスの収益を探索することにはならない。
ましてや、合理化やリストラ強化からは、将来の果実となるつぼみを潰しかねない。
外部のコンサルティング会社に大きな報酬を払うのではなく、今こそ、社員に投資をし、現場から新たな収益の芽を育んでいくことが求められているのではないだろうか。 Altenburg

カテゴリ:コラム 更新:2008年12月24日